経営

歯科医院経営と金属代の歴史

金属代はどう経営に影響してきたのか。

2026/06/29 約15分

歯科用金属の保険給付は、戦後の銀合金から金銀パラジウム合金(金パラ)、そしてCAD/CAM冠・ブリッジへと段階的に変遷してきた。本稿は院長向けに、銀パラ随時改定制度・CAD/CAM冠の保険適用拡大史・令和8年改定でのメタルフリー化方向性を時系列で体系整理する。金パラは1956年にJIS規格化され1974年に現行組成(金12%・パラジウム20%以上、銀40〜50%)に固定された材料で、貴金属相場連動による四半期改定(随時改定)の対象となっている。一方でパラジウム国際価格高騰により逆ザヤが慢性化し、CAD/CAM冠の保険適用は2014年の小臼歯導入から段階的に拡大、令和8年改定(2026年6月施行)では咬合支持要件撤廃・CAD/CAMブリッジ新規収載が実装されメタルフリー化が制度的に推進された。本記事の数値・要件は2026年6月施行時点および2025年12月随時改定時点のもので、随時改定や疑義解釈通知の追加発出に応じて変動する点に留意されたい。

歯科用金属の保険給付の中核を担ってきた「金銀パラジウム合金(通称:金パラ/銀パラ)」は、1956年にJIS T 6106「歯科鋳造用金銀パラジウム合金」として規格化された。規格化当時は金とパラジウムの合計含有量が30%以上とされていたが、その後段階的に金含有量が引き上げられ、1974年のJIS改定で現在の「金12%以上、パラジウム20%以上」の組成が確立した。現在各社から発売されている金パラの合金成分は、金12%・パラジウム20%・銀40〜50%・残部銅等に集約されている。

金パラが保険給付の主役となった背景には、金合金より安価でありながら銀合金より物性に優れる中間的な位置づけが寄与している。金合金は審美性と物性で優れるが価格が高く、銀合金(JIS T 6108)は安価だが硬さ・引張強さ・伸びなどの物性が劣る。金パラはこの中間で、咬合面の大半をカバーする金属冠やインレーの主要材料として国内で広く用いられてきた。

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